BOOK

本紹介

あなたの不安を解消する方法がここに書いてあります。

【本紹介①】

 

この本は、日本放送のアナウンサーである吉田尚記さんが書かれた本である。

恥ずかしながら吉田さんの存在をこの本で初めて知ったのであったが、読み終えた今、私は既に吉田さんのファンになっていた。そのくらい私はこの本に感銘を受けた。

内容としては、世の中に蔓延っている「不安」というものにフォーカスされ書かれている。よくある「そんなの気持ちの持ちようだ」などの精神論を禁じており、具体的にどうすれば不安が解消されるかという方法が書かれている。

また作者がラジオパーソナリティということもあり、ラジオの相談コーナー風に解決方法を語っているのが特徴的だ。

今、不安に思っていることがある方にはもちろん、

「不安ってどういう感情?」「どこから湧いてくるの?」

という観点から読んでみるのもとても面白いと思う。

 

 

構成としては、4つ。

1章.不安の正体を明らかにしよう

2章.知らない人に話しかけてみよう

3章.「深刻ごっこ」禁止

4章.「面白そう!」があれば人生は大丈夫

 

<1章>

まずは①不安ってなんなの?という話だが、実際不安だと感じるときはいつだろうか。

私であれば、資格試験が迫っているのに勉強できていない…不安。

好きな人から返信が来ない…不安。

今の仕事で一生暮らしていけるのか…不安。

周りからどう思われているんだろう…不安。

書き出せばきりがない私であるが、これらの根本・共通点は

「未来」のことを考えている  と作者は定義づけている。

人間は未来のことを予測する生き物だから不安になるらしい。

そして、「不安」=「わからない」とセットらしい。

確かに言われてみれば…どうすればわからないから不安だったり自分が見えている場所以外で何が起こっているか分からないから不安になる。

さらに不安の先に最終的に待ち受けているのはどうやら「死」というものらしい。最初直結して考えられなかったが、例えば。

自分が参加していないライントークが存在して、そこで陰口を言われているような気がする→学校でなんとなく笑われているように感じる→学校生活がうまくいかなくなる→学校に行けなくなる→進学できずいい会社に就職できなくなる→生きていけなくなる。

結果的に行き着く先が「死」で、そしてその「死」はコミュニケーションからの完全な断絶だという。

だって、自分以外の誰かに頼ることが出来たら「死」に直結しないだろう。

ここから人間が求めている究極のものは「コミュニケーション」とし、

また 不安の恐怖を消す根治療法はコミュニケーション力を磨くこととしている。

じゃあ具体的にどうすればいいんだ!って話を次にしたい。

簡潔に言えば、「とりあえず具体的にやってみる!!!!」

……なんだよそれ!となりそうですが、作者が挙げている具体的方法は2種類。

①真正面から不安の原因と向き合い、問題を解決していく。

②不安の原因になったこととは別のことに夢中になる。

意外と当たり前のことを書いているなあ、なんて思っていたが読み進めていくと実際出来ていないことばかりであった。

まず①から。

上記の例でいくと、陰口を言われているかもしれないから不安なわけだから、実際どうなのかを確認してみる。「ハードルたけえええ」(私の心の声)

という感情は置いておいて1人に限らず何人かに応えてもらったりターゲットを広げて聞くことで客観性も高まるとのこと。

でも、「そこで陰口いわれていたらどうするのさ!」ってなるんですが、

言われたくないのであれば、具体的な対処法をするまでだ。

例えば陰口の内容が陰キャだと言われていたなら、「髪型を変える」「自分から積極的に話しかけてみる」「趣味に参加してみる」などなど…

ここで大事なことは、「TO BE」で考えず、「HOW TO」で考えること。

陰キャが嫌だから陽キャになりたい!」と地位を占めたいとなると基準が自分ではなく他人になってしまうから。そうではなく、「陽キャの人は何をやっているんだろう?」とHOW TO(方法)で考えることがとても大切なのだそうだ。

ただここで結果が絶対ついてくるかどうかは別のお話し。しかしやってみるという挑戦をしているときは夢中になっていて、その瞬間は不安にはならないという発想。

なるほどなあ…確かに。でもそれ難しくない?結果がついてこなかったら私だったらメンブレやわ…

そこで次の②に移る。

陰キャだと判断しているのは先方の勝手であって、人の考え方を無理矢理変えるのはほぼ不可能。だから不安の原因とは距離を置いて別のことに夢中になってしまえばいいんだ。没頭することで不安を忘れさせてくれる。

結論①②で何が言いたいかと言えば「具体化って超大事!」やるべきことが具体的であれば人間余計なことを考えずに立ち止まることなく、スムーズに行動できる。

そして「とりあえずやってみる!」逆に不安を増進させてしまうのは「何もしないこと」不安の原因に一つ一つ正面突破することがとても大切なのだ。

また、「とりあえずやってみる」ということは、個々の問題の対処法として有効なだけではなく、積み重ねることで不安を感じる自分自身の根本治療となるんだと作者は言っている。

ん~どういうこと???って感じなのでさらに次のステップ「自信」について考えていきたい。

自信には2種類ある。①プライド②セルフエスティーム

①は、社会と結びついていて、周囲との比較で作り出される自信。ある社会の中で自分が高い地位を占めていることに安心して成り立つ価値観。

②は日本語訳をすると「自尊感情」社会と切り離しても自分自身を信頼してできる自信。いいかえれば「よく分からないけど自分は大丈夫」という謎の安心感。

作者が大事にしているのは、②のセルフエスティームの高さだ。

①が高く②が低い人は、周囲といちいち比較して自分の地位を確認しなければならない一方①が低くても②が高ければ誰かを貶める必要もないし卑屈にならない、自分自身をしっかり保つことが出来るからだ。

じゃあどうやったらセルフエスティームを高めていけるのか?

何でもいいから「とりあえずやってみる!」

も、戻ってきたーーー!(笑)結局繰り返しで高まっていく。結果はどうなるかわからないけどやってみることで「不安を無視する力」が勇気となり、いつの間にか不安を感じる気持ち自体が弱くなっていき、不安に食い殺されることが無くなる。

「人間にとって考える行為は性格を保持するためのものであり、性格を変えるためには行動するしかない」これはアドラー心理学の考えである。

「考えること」は、自己正当化で、自分はこのままでいいと認識するためにあり、性格を変えないという決断を常にし続けているということになる。性格は変わらないのだ。

だが前に触れたように「TO BE」「~になりたい」という目標で考えてはならない。こうなれば、他人が軸になってしまうからだ。「どうしたらそうなれるの??」突き詰めて自分のやりたいこと・興味が持てることに集中していけばセルフエスティームはどんどん上がっていくのだ!そうすれば不安なんて眼中にないさって話。

とまあつらつら不安解消する方法を私なりにまとめていったわけだが、そもそも「不安」というものは、それほど悲観的に捉えなくて大丈夫なものであると作者は言う。

不安を出発点にして行動することが出来るから。人間自分で価値があると思うものに不安を抱くそうだ。だから自分が価値を感じるものがわかることになるし、逆に不安に思っていないということはその状況に甘んじて受け身になってしまっているということ。

これではセルフエスティームは上がりませんよね。だからいい事!!

一方…でも不安に思っていないものはどうすれば?不安に思えと言われるのはおかしい話だ。

ここでやっと最初に挙げた「コミュニケーション」に戻ってくる。

そしてその具体的方法が、「知らない人に自分から話かける」ことだ。

なんでこと…知らない人に話しかけるなんて全く想像できないし不安だ…

それもそのはず。知らない人に声をかけると、どんな反応が返ってくるか分からないし、知らない人が未知の価値があることを知っていると思うから不安なのだから。

手っ取り早く不安を作り上げて、それに対処する機会を自ら作り上げることが出来る。

これがこのミッションの意義。

日常の行動に落とし込めば。服を買いに行く機会がああるとする。店員さんに話しかけてみる。「今の季節って何がオススメ?」「予算これだけなんだけど」「いい感じの服ないですか」ここで言いたいのは、いい服を見つけられたかではなく、声をかけたという行為そのものだ。これを繰り返していけばコミュニケーションの作法が否応なしについてくるのだ。

確かになあ…私は服屋にいっても話しかけられたくもなかったなあ。ここから思うに私の世界に踏み込まれたくなかったのかもしれない。だがそれでは新しくアップデートできないんだなと気づかされた。思うだけでなく行動に移せるよう努めたいものだ。

でもそんないきなり無理やん~どうすりゃええん?

具体的行動については2章に続いていく…。

 

<2章>

 知らない人に声をかけるというかなりハードルが高いことを成しえるために持つべきものは2つ。

①話しかける勇気

②へこまない体力 

体育会系か!ここは少し精神論チックになっちゃうよう…ここでのたとえ話で自分が一番アハ体験だったのが、聞いたらダメ。やったらアウトって何?という部分だ。変に気を回してしまって聞いたら失礼だのこれは言っちゃいけないだのブレーキをかけてしまっていたが、もっと自由でいいんだなと感じた。だからどんどん話しかけていこう!ということだ。

そして実践編として作者8つ挙げている。

①コミュニケーションに最も必要なものは「質問力」

②質問はWHYよりも、WHO・WHEN・WHERE・WHAT・HOWが有効

③会話のきっかけ「木戸にたちかけし衣食住」

④会話を「え!」でトラップする

⑤間違った情報をぶつけてもOK

⑥自分の気持ちを表現する=説明力

⑦挨拶をしよう、時間を守ろう

⑧大きな声が出せていれば、なんか大丈夫

補足をすると、③の木戸にたちかけし衣食住は、き=気象、ど=道楽、に=ニュース、た=旅、ち=知人、か=家庭、け=健康、し=仕事、プラス衣食住

以上のことを意識しながら、コミュニケーション力を上げていこう!

くらいで2章は割愛。

 

<3章>

お次3章!ここでは悩みは一体何をもたらす?ということを話している。

たまに聞くことは「みんな悩んで大きくなった」これは嘘だと作者は言う。

なぜなら、人を成長させるのは、悩むことそのものではないから。

どうしようと暗くなっていても、事態は進展しないし成長するわけでもないから。それでもみんな悩んで大きくなった。という言葉があるのはストーリーとしてはとてもよく出来ていると見えているから。フィクションの世界では「深刻さ」が物語をドライブさせる大きな機能として働くから。

そして、悩むから、悲劇として成立する。

実は、悩みとは深刻さとは人間にとってこれ以上ない極上のエンターテイメント、実は楽しい事である。「深刻さとは、エンタメである。」

恋愛の話でいえば。ただ幸せなだけのカップルに深刻さが加わったとたん、一気に人の興味を引くラブストーリーになる。「この結婚は認めない!」と言われたら、本人たちも「私たちは絶対結ばれるべき運命なんだ!」と意味や生きがいを見つけてしまう。

冷静に考えればお互いでなければ絶対にいけない理由なんてないのに。

ドラマの主人公になった気分を味わい始めるのだ。

だから、実は「深刻はなくても生きていける」私たちはいつで深刻の淵から戻ってこられる。自分の人生を悲劇と捉えるか、喜劇と捉えるかは自分次第なのだ。

そういった意味でも決断は人間を成長させる。

ここで気を付けたいのは、

悩む=困るではない。

例えば、「成績を上げるために毎日帰ってから5時間勉強する」と決断した結果、友達と遊べなくなって困る。寝る時間が無くて困る。これは悩みではないのだという。

決断した結果期待した結果が得られなかったとしてもまた決断して行動して辞める時はやめればいい。困ったときに一つ一つ決断していくことで、選べる手段が増える。

そうやって人は成長するのだと。

話は戻って、ではなぜ人は自らの人生に深刻さ=意味を求めてしまうのか?それは、認められたいから。いわゆる承認欲求のことだ。自分の存在を誰かに認めてもらいたいという気持ちは大人も子供もみんな持っているものであり、無くならない。

ではなぜ求めてはいけないのか?承認欲求はあってもそのものを目的にしてはならないのである。誰かに認められるために、褒められるためにする行動は1章でも挙げた「セルフエスティーム」を高めることにはならない。承認欲求が目的ではなく自分がやりたいことが先にあって、それをやりきったときに偶然承認欲求が満たされることになる。

また、深刻さを求めることによって意味が生まれるかもしれないがこの場合は同時に害も生まれる。主に対人関係。

深刻だと同時にストレスを感じてしまっているからだ。イライラや不機嫌になる、これらのことは何のためにあるのか?アドラー心理学的に言えばネガティブ感情は、「人に言うことを聞かせる」ためにあるんだと。

赤ちゃんもそうだ。「眠い」「お腹すいた」と泣くことで親が動く。周囲の人の言うことを聞かせたいから不機嫌な態度をとる。

うまくいかないから無理矢理自分以外の何かを動かそうとしている時ではないのだろうか?たとえもしうまくいったとしてもネガティブ感情で成しえた地位は、その感情が無くなると消えてしまうのでは?とネガティブ感情にとらわれ続けることになる。だから深刻さはほぼやはりいらないと結論付けている。 

深刻はいらないって分かった。だがどうすれば悩んでも深刻にならないんだ?

具体的方法を7つ作者は挙げている。

①バンザイして悩んでみよう

②悩みから「暗くなる」を取っ払ってみる

③適度に「深刻ごっこ」を楽しむ

④悩むの禁止

⑤やりきることを目的にする

⑥他人に期待しない

⑦愛嬌最強説

 はあ。詳しく書いてもいいけどもう疲れた…。(笑)もう全部割愛したいけれども、やりきることが一番だと学んでいるので、4章に移りたいと思う。(笑)

 

<4章>

夢のお話し。夢を持て、好奇心持って。簡単に言うけど、難しくない?

やりたいことなんて見つからないし、見つけ方もわからない!

それは好奇心の中に答えがあると作者は言う。好奇心とは疑問を持つこと。

興味がないという人も疑問を持ってみることから始めてみるとうまくいくかもしれない。例えば、「ペットボトルは何からどうやって作られているんだろう?」

「サッカーってなんで11人でプレーしているんだろう?」「ジャニーズってどうして組織力が高いの?」

そう私たちの周りはわからないことだらけなのだ。疑問が多すぎて「全部知らなくても一緒」となってしまう。だが一つの疑問から膨らませていくと意外とたくさんの物事に触れられることが出来る。そうしていく過程で自分はこれが「夢」だということが出来るのではないだろうか?と。

結論、夢が見つからないというのは「まだ知らない」だけなのだ。役に立つことでなくても疑問を持って突き進む。そうすることで楽しんで夢中になることが出来るだろう。

さあ、そろそろ終盤…

最初に結論付けた「不安を解消する方法」=「知らない人に話しかける」に戻る。

子供の頃は純粋に何も考えず疑問をぶつけることが出来た。それがいつの間にか大人になると出来なくなってしまうことが多い。

だが、そのコミュニケーションを避けてしまうと一生不安と向き合わなければならなくなる。

コミュニケーションは場数。不安を退治するために必要なセルフエスティームも場数。

だから外に出よう!知らない人に話しかけよう!うまくいかないことを学んでどんどん成長しよう!その積み重ねの先に「楽しい」毎日が待っているのだ!

 

PS.

何故ブログに書こうと思ったかと言えば、実はこの本のお陰である。

この本の中にアウトプットの重要性が書かれており、私もインプットしたことは出来る限りアウトプットしていきたいと思った。

だが、友達にこういったことを力説できる機会があまりない…だからブログに書こうと決めた。

実際書いてみることで、内容を理解できていないことに気付いた。

部分部分に共感して納得した気になっていたが、アウトプットしようとすることで、

どうやったら繋がって書けるんだ?え、ここどういうこと言っているの?

と苦労した(笑)

やってみることで分かることとはこのことかもしれない。